• 2017/03/29

なぜコ・クリエーションが必要なのか?

私たちがなぜ今コ・クリエーションが必要だと考えているのか。その理由を説明します。

分断を解消するためには「コ・クリエーション(共創)」が必要

私たちは今、大きな変化の時代に直面しています。人口減少・高齢化社会の進展、AI・IoTなどのテクノロジーの進化、環境問題、子どもの貧困…。同時にさまざまなことが起こっており、さまざまな問題が複雑に入り組んでいて、今後、世界や社会がどのように変化していくかが見えにくくなっています。そのため、多くの問題にどのように対処したらよいのか、その解が見えないのが現状です。

そうしたなかで、短期的思考やソリューション思考だけではうまくいかないこと、単に技術を発展させるだけでは世界が良い方向に向かわないことが、明らかになってきました。また、従来のように、指導者やエリートたちがトップダウンで物事を動かすだけでは、多くの問題が解決しないこともはっきりしてきました。なぜなら、それでは「分断」が解消されないからです。自分との分断、他者との分断、自然との分断こそが、現代の大きな問題なのです。「多様性」や「対話」が大事なのは、その分断を解消するために必要だからです。そのことは、多くの企業で「ダイバーシティ」が重視されているように、すでに世の常識として受け入れつつあります。

しかし、一方では対話疲れが起こっていたり、多様性をどう活かしてよいのかがわからなくなったりしていることも確かです。また、分断を解消しようと、さまざまな政治的な取り組みが進んでいますが、なかなかうまくいっていません。なぜなら、これからの世界を変えていくには、既存のやり方だけでは難しいからです。しかし一方で、新たな方法はまだ確立されていません。そこで私たちは、「コ・クリエーション(共創)」こそが、世界を変える画期的な方法だという仮説を立て、行動を起こしているのです。

個人の自己変容こそが大きなシステム変容につながる

私たちがコ・クリエーションで起こしたいと思っているのは、一言で言えば、社会システムの「大転換」です。目の前に見えている問題だけを解決するのではなく、目に見えない氷山の下も含めた社会システム全体を大きく変えることで、さまざまな問題を一気に解決したいのです。しかも、それを誰かが中心になって起こすのではなく、多くの人の手で創造する(コ・クリエーションする)ことに価値があると考えています。

氷山の一角を表面的に解決するのではなく、氷山の下を含めた社会システム全体を大きく変えることが大切。

そのためには、まず一人ひとりの「自己変容」を起こすことが大事です。コクリ!プロジェクトでは、個人の自己変容こそが、いずれは大きなシステム変容につながると考えています。一人ひとりがまるごとの自分で生き、本領を発揮することがスタート地点です。その本領発揮している人同士が化学反応を起こせば、どんどん大きなうねりになっていくのです。その上で鍵を握っているのは、安心安全な関係、何を言っても大丈夫というセーフスペースです。そうした場を多様なメンバーで創り上げることが、コクリ!プロジェクトの大きなチャレンジの1つなのです。本当に安心安全な環境があれば、みんなが自然と悩みや弱さなどを話し、互いを受け入れるようになっていきます。私たちはこのセーフスペースこそが、これからの地域や社会のベースになっていくと考えています。地域・社会システム変容は、決して地域・社会の外からは起きません。一人ひとりが自らを発見し、自ら変わっていくプロセスの向こうに、地域・社会システムの「大転換」が待っているのです。おそらく、その大転換はシンプルなものでしょう。コクリ!プロジェクトはそれを体現したいと思っています。

すでにコ・クリエーションの兆しはいくつもの領域で起こっています。たとえば、瞑想して“今ここ”とつながり、自分の意識を変えようとする「マインドフルネス」や、7世代先を考えて行動するという「インディアンの教え」が広まってきているのは、その一端です。さらに言えば、世界でも日本でも、実はコ・クリエーションによる社会変容はすでにいくつも起こっています。しかし、まだそれが「画期的な方法」だとは広く認識されていませんし、意識的にコ・クリエーションを起こす試みもほとんど行われていません。そこで、私たちはコ・クリエーションの先駆者や先進事例を研究し、コ・クリエーションを狙って起こすことで、世界を大きく変えたいと考えているのです。

PAGE
TOP