• 2017/07/10
  • Edit by HARUMA YONEKAWA
  • Photo by COCRE!AMA PHOTO TEAM

これまでの海士には、地元の若手の皆さんがあれだけたくさん集まって話し合う場はなかった! ●コクリ!海士プロジェクト・インタビュー(3)山内道雄海士町長

2017年4月に行われた「コクリ!海士2017」について、山内道雄海士町長に感想を伺いました。

2017年4月、「コクリ!海士プロジェクト」が始まりました。どういった取り組みで、何を目指し、何をコ・クリエーションしているのでしょうか? これからいくつかのインタビューをお送りします。第3弾は、今回のコクリ!海士2017を見守ってくださった山内道雄海士町長のインタビューです。

※なお、コクリ!海士プロジェクトの概要などは、「コクリ!海士プロジェクトとは?」をご覧ください。前編「コクリ!海士プロジェクト・インタビュー(1)」では、コクリ!側の愛ちゃん&賢州さんが、「コクリ!海士プロジェクト・インタビュー(2)」では、海士町側のべっくさん&岡部ちゃんが、それぞれコクリ!海士2017について語っていますので、合わせてお読みください。

聞き手:米川青馬

「これで海士町の未来は大丈夫だ!」と素直に口から出てきた

――― まず、コクリ!海士2017の感想を伺えればと思います。

一言で言って、海士町にはコクリ!が必要だと思いました。なぜかと言うと、これまでの海士には、地元の若手の皆さんがあれだけたくさん集まって話し合う場がなかったからです。「あすあま(明日の海士をつくる会:海士町創生総合戦略「海士チャレンジプラン」を策定した住民・役場職員の若手有志の集まり)」のメンバーや、阿部さん(阿部裕志さん)たちはよく話し合っているけれど、それ以外には、まちのみんなで語り合う場は実はあまりなかったのです。ですから、海士でコクリ!の場が開かれたのは良いことだと思っています。

コクリ!海士2017で、参加者のプレゼンテーションに耳を傾ける山内町長

なぜみんなで対話する場が必要かと言えば、たとえば役場の若手職員を見ていて、その多くが対話をあまり得意としていないと感じるからです。今の若手職員は、知識はあるし仕事をさせたら優秀ですが、自分の想いを伝えたり、相手の想いを聞いたりする訓練については十分ではありません。その点、今の中高生は授業などで対話の訓練を積んでいます。たとえば2015年、海士町の視察に訪れた石破茂元大臣(当時は国務大臣 地方創生・国家戦略特別区域担当)が、島前高校の高校生たちと車座になって話をして、「島前高校生との意見交換はとても楽しかった!」とおっしゃっていました。今の高校生たちは、大臣とも臆せずに対話できるのです。それを考えると、若手職員の対話の力には物足りなさを感じることが多かった。理由は単純で、対話の訓練を十分にしてこなかったからです。対話の力を身につければ、彼らはもっともっと良い仕事ができるようになるはずです。だからこそ、コクリ!のような場が必要だと思うのです。

――― 3日目の最後の挨拶で、町長は「これで海士町の未来は大丈夫だと思いました」とおっしゃいました。その真意を教えてください。

地元の若手の皆さんがコクリ!の皆さんと一緒になって対話して、本気になっている姿を見ていたら、興奮したのです。そして、いろんな想いが湧いてきました。その想いのなかから素直に出たのが、「これで海士町の未来は大丈夫だ!」という言葉でした。

参加した職員の反応が明らかに変わった

――― コクリ!海士2017が終わって1カ月ほど経ちましたが(※インタビュー時は5月中旬)、何か変化を感じていますか?

参加した職員は変わったと思います。たとえば、私の下で働いている寺下(寺下裕子さん)は、コクリ!海士の3日間に参加してから、会話していても反応が明らかに変わりましたし、やる気が前面に出てくるようになりました。以前とは全然違います。

最後の挨拶で思わず感極まる山内町長

――― これからのコクリ!海士プロジェクトに何を期待していますか?

海士町は、外からの刺激を受け続けることで変わってきた島です。Uターン・Iターンで来た皆さんが地域に溶け込み、仕事を生み出していくなかで、かつては存在したさまざまな問題がなくなっていきました。同時に、役場の職員たちが行動を起こし、彼らの本気度がまちに伝わることで、行政と町民の皆さんの距離もずいぶん近くなったと思っています。しかし、「海士に生まれて良かった」「海士に住んでよかった」と皆さんに思ってもらうためには、行政やまちがさらに刺激を受け、変化しながら、海士の魅力を創り上げなくてなりません。

その意味で、コクリ!メンバーの皆さんには良い刺激を与えていただいて感謝していますし、これを縁に皆さんと深く交流できればと思っています。また、海士町の皆さんには、ぜひ今回のコクリ!メンバーの皆さんとの出会いを活かしていただけたらと思います。

※なお、コクリ!海士プロジェクトの概要などは、「コクリ!海士プロジェクトとは?」をご覧ください。前編「コクリ!海士プロジェクト・インタビュー(1)」では、コクリ!側の愛ちゃん&賢州さんが、「コクリ!海士プロジェクト・インタビュー(2)」では、海士町側のべっくさん&岡部ちゃんが、それぞれコクリ!海士2017について語っていますので、合わせてお読みください。

 

「問題になる前」に取り組んで、世の中の「生きにくさ」を減らしたい――「夢のワーク」と「コクリ!研究合宿」

 

2018年6月の「コクリ!研究合宿@フフ山梨」を経て、なおこさんは、問題になる前に挑戦しないと、世の中の生きにくさを減らすことはできないことに気づいて「家族計画建築」を思いつき、「家と家族についてのラーニングコミュニティ」を立ち上げることを決心しました。

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