• 2018/12/01
  • Edit by HARUMA YONEKAWA
  • Photo by TAKAHISA HAZAMA

あの日、「一人で頑張る自分」を手放して、すべてが変わった――GI探究ジャーニーin新富町

2018年7月に行った「GI探究ジャーニー in 新富町」をきっかけに、こゆ財団の潤さんは、仲間を信じて任せるようになりました。

2018年7月、宮崎県新富町で「GI探究ジャーニー in 新富町」を新たに開催しました。新富町は、2017年に地域商社「こゆ財団」が立ち上がり、盛り上がりを見せる町です。こゆ財団は1粒1000円の国産ライチの販路開拓や、起業家育成塾などを次々に行って、全国から注目されています。その新富町メンバーにコクリ!メンバーが加わって対話を重ねた。今回は、新富町側の主催者である「こゆ財団」の潤さん(齋藤潤一さん)、啓二さん(岡本啓二さん)に、どのような場だったのか、どのような変化があったのかを伺いました。 ※インタビュー:米川青馬

コクリ!メンバーと想いが近いことが分かって嬉しい

――開催から2カ月ほど経ちましたが、その後いかがですか?

 まずお伝えしたいのは、新富町の参加者の中に、コクリ!がきっかけで変わった方が何人もいることです。例えば、役場の研ちゃん(高山研二さん)は、役場の中で動きを起こそうとしていて、会うたびに「やりますよ!」と声をかけてくれますし、きゅうり農家の太一さん(猪俣太一さん)の動きも変わりました。森さん(森哲也さん)は、以前は「簡単にはいかないよ」が口癖でしたが、最近は「やってみよう」という言葉が増え、今はバニラ栽培に挑戦しています。それとは別に、たじさん(但馬武さん)、こみーさん(小宮山利恵子さん)などのコクリ!メンバーの方々とも、「一緒に何かやろう」という話で盛り上がっています。

潤さん(齋藤潤一さん・こゆ財団 代表理事)

実は、開催1~2カ月前まで宿も開催場所も見つからず、僕自身「今回は止めよう!」と言ったこともありましたが、やってよかったです。

啓二 僕は、コクリ!の場は初めてでした。コクリ!メンバーは有名な方々ばかりでしたが、フラットに接することができたのが嬉しかった。

例えば、コクリ!メンバーの一人、安宅さん(安宅和人さん・ヤフー株式会社チーフストラテジーオフィサー)と僕ではまったくレベルが違うのですが、抱いている想いや向かう方向が近いことも分かりました。それが分かったのは、3日間も一緒にいられたからです。コクリ!以外ではできない経験だろうと思います。

啓二さん(岡本啓二さん・こゆ財団 執行理事・写真中央)

仲間を信じて任せるようになった

――3日間で最も印象的だったのは、最後に潤さんが涙ぐんだ場面です。どういう想いがあったんですか?

 2017年4月にこゆ財団を立ち上げてから、ずっと大変でした。その間、自分が頑張って皆をリードしなくてはという気持ちが強く、無理やり明るく振る舞ってきました。

最後に思わず涙ぐむ潤さん

大きな気づきがあったのは、「GI探究ジャーニー」の2日目です。その日、僕たちは未分化ワークの1つとして、「夢のワーク」を体験しました。自分がよく見る夢について身体で表現したり、考えたりするワークです。物騒な話ですが、僕はその頃、「誰かを殺す夢」をよく見ていました。夢占いでは、それは「自分を変えたい」という欲望の現れなのだそうです。夢のワークを一緒にやったじゅんじゅん(黒木潤子さん)やふじむー(藤村聡さん)に助けてもらい、僕は「心の底では、一人で頑張る自分を手放したいと思っているんだ」と気づいたんです。そうしたら、すべてが変わりました。

もう1つ大きかったのは、その夜の「こゆ夜市」で、こゆ財団の仲間たちが頑張っていたことです。その姿を見ながら、「この仲間たちを信じたい」と心から思えた。それが最終日の涙につながりました。その日から、僕は仲間を信じて任せるようになりました。今ではこゆ財団の経営も半ば手放しています。

夢のワークの様子

――啓二さんは、潤さんの変化をどう感じていますか?

啓二 正直、今も厳しいことは厳しいんですが、言い方や接し方は、コクリ!を境に明らかに変わりました。例えば、「君を信じて待つ」という言葉が一気に増えました。その意味では、以前とまったく違います。

こゆ夜市の様子

 今はただ、「このメンバーと楽しく過ごしたい」という想いが強いです。100年後も、このメンバーの子孫たちが気持ちよく暮らせる新富町を創りたい。そのためにこゆ財団と新富町を盛り上げていきます。

GI探究ジャーニー in 新富町のプログラム

●1日目~2日目午前/新富町と出会う+仲間と出会う+進化のヒント探し
1日目は、オープニングゲームの水鉄砲合戦をした後、新富町のライチ農家(森緑園)、ピーマン農家(福山農園)、日本茶専門店(新緑園)を巡った。2日目の午前中は5~6名のチームで、新富町のフィールドワークを実施。午後は、コクリ!メンバーの1人・恵子さん(土屋恵子さん)のファシリテーションで、未知の自分を見つめたり、過去に見た夢から自分の未知の部分を理解したりする「未分化ワーク」を行って、自分や仲間の「根っこ」とつながり、未知に踏み出していく準備をした。

●2日目夕方~夜/どっぷり潜って浮上+こゆ夜市
2日目の夕方は、「社会の進化を探究するワーク」や「進化の歴史に想いを馳せるワーク」を行って、参加者に世界システム全体を感じてもらうと同時に、GIクリエーションに入っていった。また、その夜は、こゆ財団が開催する「こゆ夜市」を楽しみ、仲間たちと親交を深めた。

●3日目/GI探究
3日目は、「GI探究」と題して、一人ひとりにGIを探究したり、自己変容の第一歩を踏み出したりしてもらった。

オープニングゲームの水鉄砲合戦 大きく実をつけるライチ 果樹園を視察するメンバーたち 恵子さん(土屋恵子さん) 対話するメンバーたち
 

「問題になる前」に取り組んで、世の中の「生きにくさ」を減らしたい――「夢のワーク」と「コクリ!研究合宿」

 

2018年6月の「コクリ!研究合宿@フフ山梨」を経て、なおこさんは、問題になる前に挑戦しないと、世の中の生きにくさを減らすことはできないことに気づいて「家族計画建築」を思いつき、「家と家族についてのラーニングコミュニティ」を立ち上げることを決心しました。

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